お風呂は、誰にも邪魔されない「超・プライベート空間」。
私たちは、「世界に自慢できる場所」としての、日本のお風呂を創造し、発信し続けます。
私が、住宅設備メーカーに就職した40年ほど前、日本の戸建て住宅のお風呂のほぼすべてがユニットバスではなく、職人さんが創る在来工法(湿式工法)でした。
そんな旧来からのバスルーム空間に、ユニットバス(システムバス)を採用していただくように建築会社等に営業活動を行っていたことが、昨日の様に思い出されます。
当時は、「戸建て住宅にユニットバスは採用しないよ。」 「ユニットバスは、ホテルやマンションで採用するものだろう。」と、今では考えられない反応ばかり。けんもほろろで当初は全く採用されませんでした。
世界で、「お風呂を楽しむ」文化を持ったのは、ヨーロッパの原点の古代ローマ帝国文明と、日本文明だけであったそうです。今でも、世界の中では一生で一度も入浴しない民族が存在すると聞きます。
日本のお風呂を楽しむ文化は、世界でも非常に特徴的です。日本人は、古来より、身体を清潔に保つ、というお風呂の本来の目的を超えて、温泉を中心に、風呂をお湯を楽しむ文化を育んできました。
しかし、そんな日本の、現代の住宅を観ると、このお風呂を楽しむ文化の維持には、はなはだ心もとない、と思えてなりません。
狭いユニットバスの中での、シャワー中心の生活。
そんな現代日本人の生活に、お風呂を楽しむ空間を取り戻そう 提案しよう、という理念で、1999年に起業しました。
お風呂は、いわば、「超・プライベート空間」です。
誰にも邪魔されない、本当の「楽しみ」の空間です。
日本は、本来、お風呂に関する特別な文化があったわけですが、今の日本の住宅の大半は、ユニットバスという画一化した製品をいれているだけ。
お風呂だけではなく、床の間 縁側などもそうで、日本の住宅から、日本のよさが消えつつあるわけです。
そんな日本の住宅事情に対して、私たちは、「世界に自慢できる場所」としての、日本のお風呂を創造し、発信したいと思っています。
弊社の商品を一言で申し上げますと、オーダーメイドのユニットバスということになります。
起業から数年は、物珍しさはあったものの、なかかな採用にいたらず苦しい時代が続きました。
住宅設備ということよりも、「空間」を創出するところに、弊社の技術の特徴があります。例えば、すばらしい温泉旅館に行ってこられたお客様が、「あの温泉旅館のお風呂を自宅に再現したい!」というご要望をいただいた場合、和の演出などが、弊社の力の発揮しどころです。
色合いや、石や木などの自然素材を活用して、演出を行っていくというあたりは、非常に得意です。
今の住宅の多くが、お風呂が「不要な汚れを落とす」という目的のために、画一化したユニットバス空間に押し込められています。そして、機能性やスペースの合理性という理由だけで、ユニットバスを私たちは受け入れてきた部分もあると思います。明治維新以来、日本人が自らのアイデンティティを喪失した反省を、私たちに迫る材料が、「お風呂」ではないだろうかと思います。
これからも、更に素敵なバスルーム空間をそして、ワクワクドキドキするお風呂の楽しみを、日本国内のみならず外国の方々にもご提供いただける進化を遂げられるよう勉強を続けてまいります。
株式会社フリーバス企画 代表取締役
神 俊行