【小説】真実湯のものがたり~第6湯 棋士の集中力~

将棋と温泉

旅館、真実湯(まことゆ)の湯守(ゆもり)をしとります、ゲンといいます。
よく温泉に入ると肌にいいとか、病気が治った、なんて話を聞きますがね。
真実湯に浸かっていかれたお客さんはどうも変わったことをおっしゃるんですよ。

よく美肌の湯なんて謳い文句の温泉を見かける時代になりましたなぁ。
この美肌っていうのは人間、はたまた生き物に限られたものなんですかね。

私は長年、お湯と向かい合って、入られたお客さんと話し合って、いろんなお風呂の側面っていうものを見てきたんですよ。

今回のお話は、「将棋と温泉」の話です。
棋士という言葉はご存知でしょうか。
将棋を打つ人ですな。

私はなんとなくルールを知っているくらいで打ったことはありません。
盤面を見て、次に相手が打つ手を予測したり、はたまた打たせるように誘導したり、集中力が命の勝負…。
普段自由に仕事させてもらっている私には想像つかない世界ですよ。

今回は一見関係のない、お風呂と集中力のお話をしましょう。

お風呂と集中力

皆さんが旅館に泊まるとき、目的というと「観光」という方がほとんどではないでしょうか。
でもそうでないかたもいらっしゃるんですよ。
麻雀や囲碁、将棋の愛好会のかたが大勢でいらして勝負を楽しんで、合間に温泉に入るんです。

その日は現役の棋士の方々が、強化合宿ということで宿泊くださいました。
棋士さんというと、テレビで難しい顔をしている印象が強かったもんで、お部屋に案内した時に和気藹々とされていて安心した記憶が残っています。

強化合宿ということで、3泊4日の予定で休日は半日だけ、それ以外は実戦と、各棋士が持ち込んだ戦略の討議と、本当に将棋尽くしだったようで。
お茶をお出ししにお部屋にうかがうと、肌がびりびりするような緊張感でした。

とある夜、練習終わりにロビーで休憩されている棋士のかたがいらっしゃいました。
うなだれていらしたので、あの緊張感でお疲れなのかなと思い、声をかけてみました。

「練習お疲れ様です。ずっと将棋を打ち続けるのは体力使いますよね。」
「ん…ああ、こんばんは。
そうですね、少し疲れましたが、まだまだ大丈夫ですよ。」

うなだれていたのでお疲れかと思ったのですが…顔を見るとスッキリとした表情でした。
疲れもなにもなく、まるで朝起きたようだったんです。

「あれ、そのようですね。失礼しました。」
「ははは、これも温泉の力ですよ。ありがとうございます。」
「あんなに長時間将棋盤と向かい合っていたら、私じゃ温泉に浸かっても棋士さんのようにさっぱりした表情にはならないですよ。
集中するコツがあるんですか?」

うなだれた背中と表情の差にびっくりして、思わず聞いてしまいました。
でも一日集中しても元気でいられる方法、気になるじゃあないですか。

「そうですね…集中ってかたちがないですよね。
私は集中している自分というものイメージしているんです。」

なんと興味深い!
棋士の集中方法なんて想像もできません。
私はわくわくして聞いてみました。

「集中をかたちとしてイメージするんですか…!
考えたこともありませんでしたなぁ…
将棋を打っているときはどんなイメージなんですか?」

「自分の体が、『使っている場所だけ』になるようなイメージをするんです。
将棋を打っているときだと、脳、目、手ですね。それ以外の体の部分はすべて忘れます。
忘れるとは違うかな、ないものにするんです。
そうすると他の部分で無意識に使っている集中力を頭に回せるような気がするんです。」

なんだか、自分の頭が理解できる範疇を超えたようで、目が回ってしまいましたよ。

当然ですが、誰もがこれで集中できるわけではありません。
集中するための方法として、棋士のかたがおこなっているわけです。

「これをやると疲れるんです。でもね、ここで合宿をするようになって気が付いたんです。
温泉にはいると、脳に寄せた集中力をもとの場所に戻すことが自然にできるんですよ。
試合が終わってフッと戻るわけではなくて、うまく切り替えないとよけいに疲れてしまうんです。」

温泉がもたらす効果

「かき集めた集中力を戻す…ですか。」
「温泉にはいって、体の隅々まで血液を流すイメージをするんです。
血管が体中にあることを意識して、その次に弛緩した筋肉を力ませることで筋肉があることを意識する。
そのいっぽうで脳や目、指の意識を抜くんです。
それで体のリズムが戻って、同時に緊張感や疲労感も抜けるんです。
本来はものすごく疲れているんですよ。
でもこの温泉で意識を全身に戻せているから疲れていないんです。
本当に温泉のおかげですよ。」

温泉に浸かるとリラックスできるということは、みなさんおっしゃいますね。
それは温泉が与えてくれるもののような印象を受けますな。

ただこの棋士さんは与えられるものとして温泉に浸かるだけじゃなくて、積極的に活用してらっしゃる。

それぞれのかたがそれぞれの思いをもって浸かっていただいてる。
私はいつも同じようにお湯張りをして、掃除をしているだけですので、
浸かる以上の活用をしていただけていると思うとありがたいです。

あなたが温泉に浸かる目的はなんでしょう。
それがあると、また違った温泉を楽しむことができそうです。

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