【小説】真実湯のものがたり~第15湯 真実湯がテレビにでます~

真実湯が有名温泉に?

旅館、真実湯(まことゆ)の湯守(ゆもり)をしとります、ゲンといいます。
よく温泉に入ると肌にいいとか、病気が治った、なんて話を聞きますがね。
真実湯に浸かっていかれたお客さんはどうも変わったことをおっしゃるんですよ。

私は長年、お湯と向かい合って、入られたお客さんと話し合って、いろんなお風呂の側面っていうものを見てきたんですよ。

最近はテレビもネタが尽きてきたんでしょうな。

いままでテレビになんて出たことはなかったですが、真実湯がテレビで紹介されることになったんです。
しかも同じ週に別の番組で3回も。
5月の大型連休も近い日程でしたから、そういう旅行喚起のタイミングだったんでしょうな。

最初は温泉番組

撮影の日は女中さん達がいつもより濃い目に化粧をして、社長は普段着ない背広、男の従業員は整髪料を塗ったりで、地味な旅館が少し華やかになっていましたよ。
「ゲンさん、いつもと同じなのあんただけよ」なんて言われたりね。
「でるわけじゃなしに、きれいにしたってしょうがないよ」何回言ったことか。

最初の撮影は温泉をめぐる番組。レポートする女性もスタッフも、温泉の撮影は慣れているようで、ロケバスから降りたその時から素足にサンダルだったのが印象的でした。

湯船に浸かっているところも撮るということで、その様子を見せてもらいました。

「ちょっと熱めのお湯で、肌触りがさらっとしていますね。
これは両親の結婚記念日にでも連れてきてのんびりしたい。
静かな環境に良質な温泉だけで十分です!」

続いてはお笑い芸人さんが

続いてはお笑い芸人さんの旅番組。
前の番組はスタッフさんが6名に対して、ディレクターさんとカメラさんの2名。
いやそれが悪いわけじゃないんですよ。びっくりしたってだけです。
台本なんてなく、宿に着いてからずっとカメラを回して、芸人さんがその場で見たものを紹介していきました。
湯船に入った感想は…

「あー!気持ちいいねー!贅沢ですよねー、昼間から温泉浸かってね。
一人で温泉っていうのも、笑い取らなくていいから気持ちが楽だよ(笑)。
熱めのお湯がピリッとして、顔にかけるとさっぱりした感じがしますよ。」

最後は街の観光課

最後の撮影は観光課がつくる映像の撮影ということで、顔なじみの職員の方々がきました。
みなさん靴下のまま浴室に入ろうとして私に止められていました。

「トロッとした感じの手触りに、いつまでも入っていられるような適温。
自分自身と向き合って、悩み事が解決すると伝わる真実湯の温泉です。
散策の休憩ポイントとしてぜひご利用ください。」

それぞれのコメントを聞いて

やっぱり放送されたテレビを見てみても、誰一人真実湯の人は映らず。
わかっていてもみんながっかりしていました。

私はこの3つの番組のコメントを聞いてハッとしました。
普段温泉と接してはいても、私一人の主観で温泉を見ているに過ぎません。
入っている人の感覚を聞く機会は意外と少ないんですよ。

温泉を紹介するのはまず、万人に共通する「感覚」を紹介するようですな。
見たまんまの景色や、温泉の色、においとか、ですか。

続いて「感想」が入ってきます。
今回の場合は「両親の結婚記念日に連れて来たい」「一人で温泉は贅沢」この辺は入った人が思ったことです。
だいたいこの辺を紹介するようですな。

あとは「事実」。
最後の観光課のかたは「感覚」と「事実」を伝えていました。

これらを深堀しながら組み合わせて使う…いやぁ難しいですよ。
しかも紹介する温泉に入るのは初めてときた。
本当に難しい…。

温泉の感覚は人それぞれ

私がそう思うのは、今回の3人は、お湯に触った感想を「熱めのお湯でさらっとしている」
「熱めのお湯がピリッとしてさっぱりする」「トロッとした感じで適温」と言っていました。
みなさんはこれをそれぞれ違う感想を言っていると思いますか?
私に言わせれば、みなさん正確な感想を言っています。

温泉は当然決まった温度で湧いていません。
外気によって変動しますし、雨が降ればまた変わります。
その上人の手でお湯張りをしますから、若干の誤差もあります。
入る人の感覚もありますよね。

肌触りもそうです。
乾燥肌、脂性、身体を洗ってから入ったかどうか、
お湯張りしてから時間が経ってから入ったか、浴室の湿度等で感じ方は変わります。

正確な感想を言っているというよりも、正解がないといったほうがいいですな。
自分なりに伝えることを考えると、大事なのは「感想」になってくるわけです。

最初の女性レポーターさんは視聴者に使いかたの提案をしていました。
「両親の結婚記念日に連れて来たい」という、御歳を召したかたにぴったりだと感じたのでしょう。
お笑い芸人さんは一人温泉という環境を「贅沢、笑いを取らなくていい」と。

本音を話すことで視聴者の笑いを取ろうとしたわけですな。
説明するのもなんですがね…。

そう考えると、温泉に入ったときに生まれてくる言葉っていうのは一期一会ですよ。
それをうまいこと捕まえてお茶の間に届けるのが彼らの仕事、そんな職人魂を感じましたな。
あ、観光課のかたがたはちょっと違いますよ。
魂じゃないですね。

みなさんが温泉に入ったときの感覚も唯一無二のものです。
ぜひ忘れずに、大事にしてください。

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